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世界を変える会社 / 007 / HUMAN

考えるだけで、
iPadを操作する。
脳と日常を
つなぐ挑戦。

画面に触らず、声も出さずに操作する。その入口を、脳の血管の中につくる。Synchronは、体を動かしにくい人が自分で選び、伝えられる未来を目指している。

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手を膝に置いたまま机のタブレットを見る人物を描いたAI生成イメージ
AI生成の説明用イメージ。実際の治験参加者や製品の写真ではありません。

画面に触れず、声も出さずに、iPadでアプリを開く。家族へ送る文章を入力する。SFのようなこの操作を、実際の治験参加者が行う実演が公開されている。

開発しているのは、Synchron(シンクロン)。脳とコンピュータをつなぐBCI(ブレイン・コンピュータ・インターフェース)に取り組むスタートアップだ。画面操作の入口にするのは、脳の「動かそうとする信号」。自分の意思を、デジタル機器の操作へ届けようとしている。[2][3]

WATCH / 90 SEC

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映像はAI生成の説明用イメージです。実際の治験参加者・研究者・施設を記録したものではありません。脳・血管・装置・信号の図は簡略化した模式図です。

01 / THE PURPOSE

取り戻したいのは、自分で選べる日常

メッセージを返す。ニュースを読む。気になることを検索する。私たちが普段何気なく行うことにも、体を動かして機器を操作する入口が必要だ。その入口を使いにくくなったとき、別の経路をつくれないか。

Synchronが掲げるのは、人が自分で決め、行動する力を取り戻し、広げ、守ること。体を動かしにくい人が自分の意思を機器へ伝えられるよう、脳の信号を使う技術を開発している。[1]

小さな装置を一緒に調べる技術者たちを描いたAI生成イメージ
AI生成の説明用イメージ。Synchronの実際の社員、開発現場、装置の写真ではありません。

家族に連絡したいと思ったとき、誰かに頼む前に、自分で送れる。それは操作方法が増えることだけでなく、自分のタイミングで行動できる暮らしにもつながる。

02 / HOW IT WORKS

「動かそうとする信号」を、画面の操作へ

手を動かそうとするとき、脳では運動に関わる信号が生まれる。SynchronのBCIは、その信号を読み取り、デジタル機器の入力にする。体を動かす経路の途中で難しさがあっても、画面を操作するための新しい道をつくろうとしている。[2]

脳の血管内に置く装置はStentrode(ステントロード)と呼ばれる。会社のiPad実演では、取得した信号を外部のデコーダーへ送り、Appleのアクセシビリティ機能スイッチコントロールなどと連携させている。[3]

画面へ届くまでの3段階

  1. 01信号を拾う動かそうとする意図
  2. 02入力に変える外部機器で処理
  3. 03画面を操作する選択や文字入力へ
脳の信号を外部機器を経由してタブレットへ送る流れを示したAI生成の概念図
信号の流れを説明する概念図。実際の装置の形や、体内外の機器構成を正確に再現した図ではありません。

ここで大切なのは、入力の意味だ。この実演で説明されているのは、運動意図に関わる信号を使う操作である。頭に浮かんだ文章をそのまま読み取ることや、考えたものを何でも具現化することを示しているわけではない。[3]

03 / THE APPROACH

脳へ近づく道は、血管の中にある

Synchronが選んだのは、血管を通じて装置を届ける方法だ。脳の血管内に置いたStentrodeで信号を拾い、頭蓋骨を開く手術を避ける。血管に装置を届けるカテーテル技術に、心臓分野のステントなどから着想を得たと説明している。[1][2]

脳の表面に近い血管内の網状電極を描いたAI生成の模式図
血管内の装置を説明する簡略化した模式図。実際のStentrodeの形状・寸法や解剖を正確に再現したものではありません。

「頭蓋骨を開かない」は「手術や処置がいらない」という意味ではない。血管内への装置の留置を伴う医療技術であり、誰でも気軽に着け外しできるガジェットとは異なる。[2]

04 / IN A PERSON'S LIFE

ALSの治験参加者が、iPadを操作した

2025年8月4日、SynchronはCOMMAND試験に参加するALS患者のMarkさんによるiPad操作の実演を公開した。会社の発表では、手・声・視線を入力手段として使わず、ホーム画面を操作し、アプリを開き、文章を入力している。[3]

同じ発表でMarkさんは、家族にメッセージを送り、ニュースを読み、世界とのつながりを持てることを語っている。研究の成果がどこに届くのか。その一つの答えが、身近な機器を自分で使う時間に見える。[3]

家族と並んでタブレットを見る人物を描いたAI生成イメージ
暮らしを説明するAI生成イメージ。Markさんやご家族、実際の治験の場面ではありません。

05 / WHERE IT IS NOW

人での実演から、使える治療へ進む途中

実際の人が機器を操作する段階には来ている。一方、2026年10月8日に確認した公式サイトでは、SynchronのBCIは治験用の装置であり、商用利用の承認はどの地域でも得ていないと明記されている。臨床上の有益性も、まだ確立されていないという位置づけだ。[2]

いま確認できること人での機器操作の実演が公開されている治験段階の装置です。実演は、一般販売の開始や、すべての利用者での効果を示すものではありません。

Synchronは、臨床研究を含む研究成果へのリンクを公開している。実演だけでなく、学術的な検証の積み重ねを追うことも、この技術の現在地を知る手がかりになる。[4]

日常で使うなら、どれくらいの速さと正確さで操作できるか。長い期間、安定して使えるか。準備や人の支援はどの程度必要か。こうした問いは、本記事が実用性を考えるために挙げたもので、特定の治験の評価項目をそのまま示したものではない。

06 / WHAT COMES NEXT

思いを、伝えられる未来へ

体を動かせる範囲が狭くなっても、伝えたいことはある。好きなものを選びたい。大切な人へ、いまの気持ちを送りたい。

脳とコンピュータをつなぐ研究の先には、その小さな選択を自分でできる暮らしがある。技術の驚きと、毎日の意味を一緒に見ていきたい。もし、手を使わずに思いを伝えられたら。あなたは何をしてみたいだろうか。

出典・参考資料

  1. Synchron|会社の目指すものと、血管内アプローチの着想
  2. Synchron|BCIとStentrode、治験段階・承認状況の説明
  3. Synchronの会社発表|iPad操作の実演とAppleのBCI入力方式(2025年8月4日)
  4. Synchron|臨床研究を含む研究論文の一覧

情報確認日:2026年10月8日。機器の説明・実演の内容・開発状況は会社の公表情報に基づきます。本記事で安全性や臨床上の効果を独立検証したものではありません。画像と動画はAI生成の説明用イメージです。

READ / 006 / LIFE

もう一つの挑戦。
自分の歯を育てる薬へ。

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歯の模型と研究用の瓶を描いたAI生成イメージ