アイアンマンのように、自分の体で空を飛ぶ。イギリスのGravity Industries(グラビティ・インダストリーズ)は、その夢をジェットスーツで現実にした。
飛べることは、もう示した。次に問われるのはその数分間が誰かの役に立つかだ。創業者リチャード・ブラウニングと開発チームは、山や海など、地上から近づきにくい場所へ救急隊員を届ける使い方を探っている。[1][2]
まず、90秒で見る
映像はAI生成の説明用イメージです。Gravity Industriesの実際の飛行や救助活動の記録映像ではありません。
01 / THE IDEA
始まりは「人は飛べるか」
ブラウニングが最初に追ったのは、明確な商業用途よりも「人間は自分の体で飛べるのか」という問いだった。小さな試作と改良を重ね、2016年に初めて地面から浮き上がる。翌2017年、Gravity Industriesを世に発表した。[1]
会社は今も改良を続け、飛ぶ技術をショーや飛行体験だけでなく、専門職の現場にも広げようとしている。「飛ぶこと」そのものから、飛んで何ができるかへ。挑戦の中心が移りつつある。[1]
02 / HOW IT FLIES
翼を着るのではなく、体を持ち上げる
現在のスーツは、腕と背中に付けた小型のジェットエンジンの推力で体を持ち上げる。腕の向きと体の動きで推力を調整し、操縦者自身がバランスを取る。映像では軽々と飛んで見えるが、専門の訓練が前提になる。[1][3]
飛行を支える3つの要素
- 01小型ジェット腕と背中の推力で浮く
- 02体の動き腕の向きと姿勢で操る
- 03飛行訓練操縦と現場運用を学ぶ
03 / THE MISSION
山道を、空からショートカットできたら
ジェットスーツが救助で役立つ場面として考えられているのが、急斜面や岩場など、車両では進めず、ヘリコプターも近くに着陸しにくい場所だ。目的は患者を抱えて運び出すことではなく、まず救急隊員が現場へ向かい、初期対応を始めることにある。[2][4]
英国の救急団体Great North Air Ambulance ServiceはGravityと飛行試験を行った。団体が公表した2022年の試験では、湖水地方の山で高低差750メートル、距離1.8キロメートルの経路をジェットスーツで3分30秒で移動。同団体が示した徒歩での比較時間は60分だった。[4]
これは特定の経路で行った試験の結果だ。すべての救助で同じ時間を短縮できるわけではない。それでも、道が遠回りになる地形で「人だけが先に着く」可能性を示した。[4]
04 / WHERE WE ARE
飛行できるのは、まだ数分間
救急対応向けにGravityが示す飛行時間は約3分。長距離の移動や患者の搬送を、これ一着で担う想定ではない。強い推力を扱うため、操縦や現場ごとの運用訓練も欠かせない。同社は専門職向けの訓練プログラムを用意している。[2][3]
現在は、飛行と山岳での救急隊員による試験まで進んでいる。一方、日常的な救急出動でどの程度使えるかは、運用を通じて確かめていく段階だ。救急車やヘリコプターに代わる万能な乗り物ではなく、アクセスが難しい場所へ人を早く届ける道具としての価値が問われている。[2][4]
05 / THE QUESTION
空を飛ぶ夢の、その先へ
ジェットスーツで人が飛ぶ映像は、見ただけで心が動く。けれど本当に面白いのは、飛べた先に新しい仕事を見つけようとしていることだ。数分しか飛べなくても、到着を急ぐ現場では、その数分が意味を持つかもしれない。
人が空を飛んで、
誰かを助ける。
そんな未来は来るだろうか。
出典と制作注記
- Gravity Industries|創業者、試作とJet Suitの構成
- Gravity Industries|救急対応の構想と飛行時間
- Gravity Industries|専門職向け訓練
- Great North Air Ambulance Service|湖水地方での救急隊員による飛行試験
情報確認日:2026年10月3日。画像と動画はAI生成の説明用イメージで、Gravity Industriesの実機、創業者、救急隊員や実際の救助活動を撮影したものではありません。